テクポリマー® NHシリーズ

ナノサイズの中空ポリマー微粒子

用途想定:低屈折コーティング、低誘電材料、フォトリソグラフィーによる微細光加工、半導体封止材、レジスト材、透明接着剤

開発背景

「テクポリマー」は、重合技術を用いたポリマー微粒子で、液晶ディスプレイの光拡散剤や、化粧品の添加剤、塗料の艶消し剤など、さまざまな用途で使用されています。特に、ナノサイズの中空ポリマー微粒子「テクポリマー NHシリーズ」は、近年注目が高まる高精細テレビやPC、自動車部材(カーナビ・インパネ部材)において、外光の映り込みを抑えるための添加剤として、世界に類をみないナノサイズの中空ポリマー微粒子「テクポリマー NHシリーズ」を開発しました。また、5G(第5世代移動通信システム)など、エレクトロニクス分野への展開に向けて金属・イオン性不純物低減にも取り組み、半導体やディスプレイ用途として新たなラインアップを揃えました。

特徴

「テクポリマー NHシリーズ」は、ナノサイズ(60〜100nm)の粒子内部に空気層を持ったポリマー微粒子です。材料に添加することで低屈折(低反射)・低比重・低誘電特性を付与することができます。また、無機系の添加剤と比較すると比重が軽いため、少ない添加量で高い特性を得ることが可能です。

特性

  • シャープな粒度分布を持つナノ粒子で、粒子径も制御できる

  • 水または溶剤分散体で、一次粒子として提供が可能

  • 中空率をコントロールすることで、低比重・低屈折・低誘電特性を付与

  • 粒子表面への官能基付与において、カスタマイズが可能

用途想定

ディスプレイ関連の光学用途

粒子内部の空気層により、低屈折性を付与することが可能です。
光の反射による映り込みを防止し、ディスプレイ全体を明るくしたり、見やすくしたりすることに役立ちます。
粒度がそろったナノサイズの中空ポリマー微粒子であるため、透明性を維持しつつ低反射材として寄与することが可能です。

低誘電特性付与による電子材料・半導体用途

粒子内部の空気層により低誘電化特性を付与することが可能です。さらに、シェル層が樹脂のため比重が軽く、調液時のハンドリング性向上も期待できることから、今後は電子材料分野へのさらなる展開が見込まれています。
ナノサイズの粒子であり、光の透過性が高く、フォトリソグラフィーなどの微細加工時の低屈折材として貢献できます。

機能・効果

1高い透明性を維持

粒子径が揃ったナノサイズポリマー微粒子であるため、薄膜でも高い透明性を維持します。

EX:
サブミクロンタイプとの溶剤分散写真比較

TP-NNシリーズ サブミクロンタイプ

2反射防止、映り込み低減効果

粒子径および中空部を調整することで、粒子屈折率1.37~1.30を実現しました。フィルムの反射防止や映り込み低減効果が期待できます。

EX:
ディスプレイ表面処理フィルムの映り込み低減効果

3屈曲性の高い塗膜が可能

樹脂組成物であるため、有機系バインダー中での分散性が高く、屈曲性の高い塗膜を成形することが可能です。

EX:
コーティング膜の屈曲性、擦傷性評価

4電気特性が向上

フィルムに添加することで、電気特性が向上します。

5屈折率を低下

粒子内部の空気層により、屈折率を下げることができます。

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