エラスティル® 熱可塑性エラストマービーズ発泡体(Thermoplastic Elastomeric Bead Foam)

社員の発案から生まれた、ランニングシューズのミッドソール素材

エラスティルとは

「エラスティル」のセル構造(独立気泡)

「エラスティル」のセル構造(独立気泡)

熱可塑性エラストマーの優れた素材特性と、ビーズ発泡体のノウハウを融合した「熱可塑性エラストマービーズ発泡体」です。独立気泡構造(クローズドセル)のため、連続気泡構造の軟質フォームに比べ吸水しにくく、軽量性や反発性・弾性などに優れてます。
スポーツ用品や寝具・リビング用品、自動車など幅広い用途に使うことができます。

開発のきっかけ

となったのは、ある一人の若手社員の発案でした。社内研修で「新市場に展開できる商品を考える」という課題に対し、趣味のランニングに目をつけ「大好きなスニーカーに自社技術を取り入れられないか…」と思いついたのが始まりでした。

シューズ市場への挑戦は

当社にとって初めての取り組みでした。
シューズに使われている材料を検討した結果、ランニングシューズのミッドソールにターゲットを絞り、「エラスティル」の開発を開始しました。しかし、シューズ市場のスピード感やビジネス手法には、従来の経験や生産プロセスでは対応できない部分が数多く存在していたのです。

トライ&エラーが続くなか

開発者は「従来は製造プロセスに素材を合わせるという手法を取っていたが、この製品に関しては素材に合わせて製造プロセスを考える必要がある」と思いました。しかし、今までのやり方をすべて捨て、一からやり直すのは簡単なことではありません。不安な気持ちで関係者に提案したところ、誰一人文句も言わず、この「逆転の発想」に沿って動き出したのです。そして長かった5年の開発期間を経て、いよいよ製品が完成しました。

今後の展開

「エラスティル」の特長を活かした製品作りにはまだ多くの可能性があると、開発者は考えています。『現行品を超える製品を作りたい』と、今も奮闘を続けています。

担当者インタビュー

技術 高野

「エラスティル」の開発中に試作テストのため海外出張をしたのですが、現地オペレーターが試作原料を全てこぼしてしまい、失意の中ライン河の渓谷を見ていたこともありました。開発を通じて良いことも悪いことも経験できました。後進を担う技術者にも同じような体験をしてほしいと考えており、今後はその手助けができればと思っています。(技術 高野)

各種お問い合わせ・ご相談は
下記フォームよりお受けいたします