飛び箱-X(FlyingBox Model-X)

高度な保温技術により実現した物流改善アイデア

近年、海外での日本食ブームや政府の「農林水産業の輸出力強化戦略」により、日本の食品輸出は拡大を続けています。しかし、食品輸出においては「物流」が大きな課題となっています。積水化成品が製造する「飛び箱-X(FlyingBox Model-X)」は、この物流課題に対するソリューションを提供します。

飛び箱-Xとは

「飛び箱-X」は、航空輸送が要求される高級食材や、海上混載では割高になる小ロット出荷をターゲットに開発された高性能保冷包装資材です。

軽量かつ断熱性能の高い発泡材パネルで貨物を荷姿のまま密封するため、高い保冷性を実現します。航空機積載時や空輸中など、温度管理ができない時間帯でも、内容品の保冷状態を長時間維持することが可能です。さらに梱包資材と内包する冷媒の軽量化によって輸送コスト削減にもつながります。まさに、品質保持とコストダウンを両立できる物流を実現します。

開発のきっかけ

この商品のアイデアが生まれたのは、日本通運株式会社様と、積水化成品がオープンイノベーションを目的として定期的に実施している、物流改善ブレーンストーミングの場でした。

メンバーは先に取り組んでいた鮮魚輸出を対象とした輸送箱の開発が一段落し、次なるテーマを模索していました。コールドチェーン(低温物流体系)の品質向上とコスト削減を、食肉や青果・医薬品輸送の分野にも拡大すべく、高性能保冷包装資材の開発がスタートしたのです。

迫る開発期限

「これは、面白いアイデアだ!」と早速開発がスタート。しかしそこから先がなかなか進みません。特に内部の冷気循環構造の設定が難攻し、目指す性能をなかなかクリアできなかったのです。「飛び箱-X」は、日本通運様が展示会で大々的にお披露目することになっており、その期限は刻々と迫ってきました。

総動員でシミュレーションとバリデーション

限られた時間の中で解決に向けて、技術部の徹底したバックアップを受け、積水化成品の長年の経験で培った品質管理物流に関する知識や実績をフル活用しました。幾度にもわたるシミュレーションとバリデーションを繰り返し、温度ムラの無い高い保冷性能を実現する構造を導き出しました。営業・技術を総動員し、何とか展示会に間に合わせることができたのです。

「飛び箱-X」担当者コメント

営業 藤岡

「飛び箱-X」をご検討いただいたお客様からは「この発想を思いつく人はいるかもしれないが、それを実際に商品として具現化してしまう技術と執念がすごい!」と評価していただいています。
今後は、海外出荷案件への展開を検討しています。世界で流通している食品のうち日本から輸出されているものはごくわずかにすぎません。積水化成品が、より鮮度が高く、高品質な生鮮品のグローバル物流をお手伝いできればと日夜考えています。(営業 藤岡)

※「飛び箱」は日本通運株式会社の登録商標です。

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