1960年、当社は軽量で省資源な発泡スチロールの原料となる『発泡性ポリスチレンビーズ』を開発。製造・販売をスタートしています。この製品が魚函や農産箱として導入され、生鮮食品などの保存期間が延びて、食品廃棄の低減に一役買うことができました。
そして1971年には、製品のリサイクルに着手。まだ、多くの企業がプラスチック製品のリサイクルに着手していなかった時代のことです。
直接的なきっかけとなったのは、ある一つの社会的なムーブメントでした。
発泡スチロールがどのように作られているか、みなさんはご存知でしょうか?
発泡スチロールはプラスチックの一種であるポリスチレン樹脂を数倍~100倍に膨らませたものです。50倍の体積に膨らませた場合、容積の98%が空気で、プラスチック樹脂はわずか2%です。
積水化成品の歴史は、発泡技術と共に積み重ねられてきました。1959年に発泡性ポリスチレンビーズ事業に着手して以降、半世紀にわたってこの技術を追求し続けてきたのです。
今や私たちの生活には欠かせない素材となった発泡製品。生鮮食品のトレーや梱包材など身近な暮らしの中だけではなく、工業分野でもさまざまな形で利用されています。
しかしこれだけ広く社会の中に普及した素材だからこそ、私たちの目の前には最大限の配慮が必要な課題がありました。それは地球環境への負荷軽減です。
積水化成品のもつ技術力の多くは、環境に配慮した製品を開発する中で磨き上げられてきたといっても過言ではありません。
当社では、製品の製造から使用時まで想定した「環境にやさしい製品」の開発はもちろんのこと、3R(リデュース/リユース/リサイクル)の考え方にもとづいた製品設計やオペレーションの構築を推進してきました。
1960年、当社は軽量で省資源な発泡スチロールの原料となる『発泡性ポリスチレンビーズ』を開発。製造・販売をスタートしています。この製品が魚函や農産箱として導入され、生鮮食品などの保存期間が延びて、食品廃棄の低減に一役買うことができました。
そして1971年には、製品のリサイクルに着手。まだ、多くの企業がプラスチック製品のリサイクルに着手していなかった時代のことです。
直接的なきっかけとなったのは、ある一つの社会的なムーブメントでした。
戦後の高度経済成長期を経て産業がめざましく発展した日本では、1960年代以降、一部地域において環境汚染による公害問題が表面化。その深刻な実態が明らかになると共に、70年代にかけて環境への意識が高まりました。
プラスチック製品に対し、非難の矛先が向き始めたのもこの頃です。
そして「その時」はいきなりやってきました。ある消費者団体が、「贈答品に使われている緩衝材(発泡スチロール)は、過剰包装である」として、追放運動をはじめたのです。環境問題に対する消費者の関心が高まれば高まるほど、この運動の影響は拡大していきました。
もともと、省資源化を可能にする製品として開発された発泡製品。時代と消費社会の大きなうねりの中で、当社は環境に貢献するための製品開発を続けるべく、業界全体を巻き込んだ取り組みに着手していくことになります。
【次編に続く】