雨水貯留

アクアロード®はこうして生まれた【1】

すべてのはじまりはEDO-EPS工法から

軽量性、自立性、耐圧縮性、施工性などに優れた特性をもつ、大型の発泡スチロールブロックを用いた土木工法が、EDO-EPS工法(軽量盛土工法)です。

盛土材の特性を活用することで、軟弱地盤上や地すべり地の盛土、急傾斜地の拡幅盛土として適用でき、さらに工期の短縮や維持管理費用の低減が図れるなど、いくつものメリットがあります。EDO-EPS工法が日本で導入されたのは1985年のことで、以来積水化成品ではブロックに用いる素材の研究・開発を続けてきました。今日まで全国の道路建設や護岸工事などで多数の実績を積み重ねています。

そんな折、ある港での岸壁工事の物件にて、海水位による浮力対策が課題となりました。そこでは、浮力対策用のEPSブロックでも浮き上がりが想定されたため、他の盛土材が必要でした。そこで目を付けたのが、当時全国に普及されつつあったプラスチック製貯留材です。EPSブロックの下方に高い空隙率を持つプラスチック製貯留材を盛土材として配置することで、浮力問題を解決することができました。

この事例をきっかけに、一般道路で同様の事例が発生した場合にも対応できるプラスチック製貯留材開発の声が、社内で持ち上がりました。

喫緊の課題である雨水対策のため、新製品開発に着手

一方、当時の全国の自治体では、各地で多発するゲリラ豪雨による道路冠水の被害を受けて、新たな対策を講じる必要に迫られていました。しかし都市開発が進む日本において、こうした災害対策に不可欠な雨水流出抑制施設を設置する場所はかなり限定されつつありました。そこで自治体から出てきた要望が、「プラスチック貯留槽を道路の下にも使いたい」というものだったのです。

ただ、当時流通していたプラスチック製貯留材は一般道路には適用外。既存製品をそのまま適用するには強度や耐久力の確認が取れていませんでした。

そこで積水化成品では、盛土材としてだけではなく、道路の冠水対策製品としての展開を目指し、一般道路にも適用できるプラスチック製貯留材の開発に着手することにしたのです。

次編に続く

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