部材化学系材料メーカー D社 製造技術部
強度、軽量化、剛性、加工性、安定供給…海外顧客の厳しい要求をクリア!
小型船舶用FRP部材を進化させた、塩ビ・硬質ウレタン以外の芯材とは

FRP部材の製造、販売を手掛けているD社。小型船舶の船体や船室の壁材に使われるFRPやCFRPに定評があり、オーダーが世界中から舞い込んでいた。あるとき、海外の大口顧客から、売れ筋の小型船舶用材料について相談に乗ってほしいと言われ、その対応に追われていた。
課題
新たなFRP部材の開発を期待されるも、顧客の要望の高さに少し不安が…
D社は、長年培ってきたFRP成型技術と、高品質な素材の選定により、顧客からの多様なニーズに応えてきました。特に、小型船舶向けのFRP部材には高い強度と耐久性を求められるため、技術力が高く評価されていました。世界中の顧客からオーダーが寄せられ、D社はFRP部材業界において確固たる地位を築いていました。
今回の相談内容は、新型の小型船舶用に、現行品より強度が高く軽量化したFRP部材を作ってほしいというものでした。製造技術部のA氏はこう振り返ります。
「さらに、加工のしやすさ、剛性のアップグレード、安定供給の要望も寄せられました。新たなFRP部材の開発に意欲を燃やしましたが、同時に、顧客の要望の高さに少し不安を感じました」
現行品の多くは、耐水性や剛性などの観点から、芯材にポリ塩化ビニル(塩ビ)が使用されています。しかし、近年では、廃棄時の環境への影響が懸念されることから、塩ビ以外の芯材が求められるようになってきていました。
A氏がいろいろと調べてみると、塩ビ以外の芯材としては硬質ウレタンが使われる例が多いことがわかります。しかし、この硬質ウレタンにも課題がありました。
「硬質ウレタンを用いたFRP部材の試作を重ねて、さまざまな評価を行いました。しかし、結果はどれもいまひとつ。例えば、加工中に割れてしまう強度面の問題や、顧客が求める剛性レベルに達しないといった課題があったのです」(A氏)
試作品は顧客からの評価も低く、この商談を逃したくないA氏は頭を抱えてしまいました。
課題のポイント
小型船舶用に現行品より強度が高く軽量化したFRP部材をつくりたかった
加工のしやすさ、剛性のアップグレード、安定供給の要望もあった
塩ビ以外の芯材が求められていたが、硬質ウレタンは強度面や剛性に課題があった
