部材輸送機部品メーカー G社 製品開発部

トラックのEV化のため架装部品の20%軽量化が必須…
アルミ外装に組み合わせる複合材料として最適な樹脂芯材とは

トラック向け架装部品を製造するG社。得意先の車両メーカーより、EVトラック向けの新型架装部品の供給を打診されたが、顧客からの要求仕様に製品開発部は頭を抱えた。

課題

超軽量金属や炭素繊維強化樹脂成形はコスト高、複合化に活路を求めるも…

顧客である車両メーカーの要望は、既存部品と価格を変えず、同等の強度で20%軽量化してほしい、というものでした。
早速G社製品開発部は、強度を維持しつつ軽量化を図る方法を検討し始めました。

既存の架装部品は、アルミの板材を加工して作られていました。そこでまず、アルミより軽くて強度を維持できる金属(アルミ合金やチタンなど)への置き換えを考えます。しかし、世界的金属価格の高騰もあり、従来品より大幅に価格が上がってしまうため、早々に候補から外されました。

次に検討されたのは、炭素繊維強化樹脂で部品を成形するという案でした。しかし、樹脂成形に大型の設備を導入する必要があり、大量生産でなければコスト高になるということが分かりました。

この段階で、開発リーダーだったB氏は、単一の素材だけで要求を満たすことは困難であると判断します。そして材料を組み合わせることを考えました。つまり外側は扱いなれたアルミ、内側に芯材として樹脂を使う方法です。

「そこで樹脂の中で強度が高いと言われる硬質ウレタンの板材を入手し、外装に合わせて切削加工してみました。ところが、何度やっても途中で割れてしまい、思うように加工できなかったのです」(B氏)

強度と軽量化を両立し、かつ加工しやすい素材はなかなか見つからず、得意先の車両メーカーからは「早く提案を持ってくるように」と催促される始末でした。

課題のポイント

  • 顧客の要求で、架装部品の価格と強度を変えず20%軽量化する必要があった

  • 既存のアルミより軽くて強い金属は、高価で使えなかった

  • 炭素繊維強化樹脂を成形するためには大型設備が必要だった

  • アルミ外装と樹脂芯材の複合化を考えたが、硬質ウレタンは加工が困難だった

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