ゲル医療機器メーカー Y社 開発部
ホルター心電計開発に必要となる、肌に優しく一週間装着が可能な素材探しが難航…
医療分野への採用実績があるハイドロゲルとの出会いから、開発が一気に加速!
さまざまな要因により定期的な通院が難しい人達に対して、医師が簡易的に診断できるデスの開発を検討することになったY社。不整脈や虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)に使用できる、新たなホルター心電計製品の開発が決まったが、肌への装着部分の素材選定に難航していた。
課題
一週間の連続装着でも赤みやかぶれが発生しにくい、肌に優しい素材が必須だったが…
プロジェクトを任された開発部のT氏は、これまでの開発経験から「ポイントは心電図用電極の肌への接着部にある」と考えていました。そのため、接着部の素材選びに当たっては、2つのポイントを重要視したといいます。
「まずは、肌に優しく、誰が使用しても赤みやかぶれが発生しにくいことが重要だと考えていました。また、患者の状態や計測・記録状況によっては、装置の連続装着が想定されます。そのため、一週間程度使用しても皮膚から剥がれにくく、安定した計測を持続できる素材であることも妥協できないポイントでした」(T氏)
そこで、知見のあるいくつかの海外製電極を使い、自社製品との相性確認も兼ねて、長時間の使用ができるかどうかテストを実施しました。しかし、これら海外製電極では数日で赤みやかぶれ・かゆみが発生してしまうなど、連続装着は難しいことが分かりました。
T氏は、あらためて電極や接着部の素材について情報収集を行いましたが、満足のいく電極を見つけ出すことは、なかなかできませんでした。電極選定の締め切り期限は迫り、T氏の焦りは募るばかりでした。
課題のポイント
電極の肌への接着部には、肌に優しい素材が必須
皮膚から剥がれにくく、一週間程度の安定した計測が必要
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