ゲル医療機器製造 Q社 開発部

テキスタイル型のセンシングを使用した、高度な生体情報の収集を実現したい!
高湿環境下においても物性を保持できる素材の全容とは

近年、高齢化社会の進行や健康意識の高まりから、ヘルスケア機器やサービスへの需要が拡大している。Q社で調査を行ったところ、ウェアラブル機器を用いた日常生活における長期間でのバイタルデータ(生体情報)の取得に対するニーズが高まっていることが判明。自社のラインアップに、この分野の機器を追加したいと考えていた。

課題

日常生活における長時間のセンシングでも性能低下が少なく、安定的にバイタルデータが取得できる高性能なゲル素材がほしい!

社内検討を重ねた結果、着用しながら生体情報を入手できるテキスタイル(布地)型のセンシングが候補にあがりました。テキスタイル型は、高齢者の見守りや就労管理などの用途で伸張していましたが、このプロジェクトを担当した開発部のK氏は、次のように振り返ります。
「調査を進めたところ、長時間のセンシングは、健康管理や予防医療への展開も見込めるため、テキスタイル型よりも精度の高い生体情報の取得が求められました」

テキスタイル型のウェアラブル機器は皮膚の接触抵抗が大きく、体動ノイズも増大するため、長時間に渡る安定的なセンシングやデータ取得には高いハードルがあります。また、どうしても圧迫感が強くなり、高齢者が脱ぎ着するのは困難な場合があることも懸念されました。

「これらの課題を解決するため、さまざまな試作と評価を繰り返した結果、貼付型のウェアラブル電極を活用すれば、問題を解決できる可能性が出てきました。しかしそのためには、日常生活における長時間のセンシングでも性能低下が少ない、高性能なゲル素材が必要になるという新たな課題が残りました」(K氏)

K氏は、過去に採用したことがあるゲル素材をいくつか試してみましたが、日常生活で長時間貼付すると身体からの発汗で粘着力が下がり、途中でゲルが剥がれたり、皮膚のかゆみが発生したりといった課題が発生し、効果はいま一つでした。
この状況に、K氏たち開発部のメンバーはなす術もありませんでした。

課題のポイント

  • テキスタイル型は皮膚に対する接触抵抗が大きく、体動ノイズが増大するため、長時間での安定的なセンシングが困難

  • 日常生活での長時間センシングにも耐えうる粘着力・導電性と、肌への安全性が高いゲル素材を見つけたい

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