ポリマー粘着剤メーカー C社 開発部

凹凸部でも剥がれにくい粘着剤の開発が難航…
粘着剤の柔軟性を向上させた、特殊構造微粒子のパフォーマンスとは?

さまざまな用途向けに粘着剤を製造、販売しているC社。ある得意先から「凹凸のある部材に使用しても剥がれにくい粘着剤を作れないか」という依頼が舞い込み、新製品の開発に着手することになった。

課題

添加剤での差別化を図るも、ユーザーが要望する水準には届かず…

C社は、得意先の要望を満たすために、柔軟性の高い粘着剤の開発に取り掛かりました。柔軟性を持たせることで、凹凸部に隙間なく粘着剤が入り込み、剥がれにくくなるのではないかと考えたからです。

まずは今までの知見、経験を活かして、主成分のベース樹脂から処方検討を行いました。しかし、いくつか試作品を作っては評価を繰り返すものの、なかなか目標値には届きません。配合している添加剤の再検討にも着手し、過去に入手した添加剤のサンプルをいくつか評価しましたが、どれも目標通りの結果は得られませんでした。

この案件を担当する開発部のU氏は、当時の状況を次のように振り返ります。
「はじめは、添加剤の中でも柔らかい特長を持つ多孔質の有機系微粒子で検討を進めました。ところが、多孔質微粒子では増粘の課題がみられ、柔軟性を持った有機系微粒子では、得意先の要望に一歩届きませんでした」

U氏らはその後もさまざまな樹脂材料、添加材料を試してみたものの、改善が見られることはありませんでした。

課題のポイント

  • 凹凸部でも剝がれにくい粘着剤を開発するため、柔軟性(低弾性)を付与したい

  • 増粘しない添加剤が必要だが、最適なものがなかなか見つからない

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