ゲル製造業 L社 製品開発部

お客様に安心してご利用いただける製品を提供するため、安全性を追求したゲル素材

心電図用電極やEMS機器用電極など、さまざまな用途にゲルが使用されている。医療機器用の電極については、すべて生物学的安全性試験が義務付けられているが、非医療分野(美容・健康)では試験は義務付けられていない。人肌に触れるため、安全性が重視されるなか、すべての電極が本当に安全なゲルを使用しているのか疑問視する声があがっていた。

課題

健康被害によるクレームが増加し、製品回収や販売不振のリスクが高まった!

ヘルスケア用途でゲルを使用した電極パッドを製品展開していたL社は、ユーザーからの健康被害に関するクレーム対応に追われていました。肌に触れたゲルが原因で接触性皮膚炎を起こし、赤みやかぶれが生じたという内容でした。
製品開発部のS氏は、原因究明に向けてゲルの製造元調査を開始します。すると、人体に悪影響がある物質を含む海外製のゲルを使用していることが判明しました。

さらに調査を進めたところ、肌の赤みやかぶれを引き起こす原因物質は、ゲル中に含まれる未反応物質の「アクリル酸モノマー」であることが分かりました。ポリアクリル酸は一般的に増粘剤、凝集剤、粘着剤などの用途で使用されています。しかし、海外メーカーが使用しているゲルには、未反応のアクリル酸モノマーが残存しているという情報を耳にします。気になったS氏が、日本国内で流通している海外製のゲルを調査したところ、その多くにアクリル酸モノマーが残存していることが分かりました。

アクリル酸の残存モノマーが大量に含まれたゲルを使用し続けると、接触性皮膚炎を引き起こす可能性が高まります。赤みなどが発症してしまうことは企業価値を大きく損ねるリスクを伴い、結果的に製品の品質トラブルによる回収や販売不振につながるなど、その影響範囲は拡大する一方です。S氏は、早急に海外製ゲルの代替品を探すため情報収集を続けました。

課題のポイント

  • 使用した海外製ゲルにより健康被害のクレームが発生

  • ゲルに含まれる残存モノマーが皮膚トラブルを誘発

  • 製品回収や販売不振のリスクを回避するため、安全なゲルを見つけたい

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