ポリマー塗料メーカー F社 技術開発部

環境配慮型製品の開発を進める中で辿り着いた!
ソフトフィール性を付与できる、サステナブルな添加剤とは?

ある得意先から、環境配慮型塗料の開発依頼を受けた塗料メーカーのF社。今まで機能面を重視して処方開発を行っていたF社にとって、サステナブル製品の開発は一からの検討となり、難航が予想された。

課題

添加剤での差別化を模索するも、時間だけが過ぎていき…

F社は、まずVOC削減を目的とした水性塗料の開発を検討し、得意先へ提案しました。ところが、水性塗料という点だけでは競合塗料メーカーとの差別化が難しく、他のポイントも追加してほしいと言われてしまいました。

そこでF社は、塗料の構成比率上5%の割合を占めていたアクリル微粒子に着目しました。アクリル微粒子は艶消し効果や触感付与のために使われており、それを環境配慮品に切り替えることで、差別化ができるのではと考えたのです。

さっそく天然由来の微粒子サンプルをいくつか取り寄せ、設計した水性塗料に添加してテストを行いましたが、いくら試しても思い描くマットな外観やソフトな触感を得ることはできませんでした。

技術開発部のT氏は、当時の状況をこのように振り返ります。
「微粒子のサイズや形が不揃いなため、塗料の設計技術だけで目標の外観を実現するのは不可能でした。また、従来は滑らかな触感を出すために軟質系のアクリル微粒子を使用していますが、天然由来の微粒子は硬く、テストを繰り返してもザラザラした触感になってしまい、どうしても改善できませんでした」

その後、海外からもサンプルを取り寄せて試行錯誤を繰り返しますが、期待する結果は出ないまま、時間だけが刻々と過ぎていきました。

※VOC:揮発性有機化合物

課題のポイント

  • 環境配慮型の塗料添加剤が欲しい

  • 従来の軟質系アクリル微粒子と同等の艶消し性や触感を付与したい

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