ポリマー化粧品メーカー X社 研究開発部

海洋プラスチックごみによる地球規模の環境汚染問題…
マイクロビーズ規制対応の環境に配慮した化粧品向け感触改良剤とは?

豊富なラインナップで幅広い年齢層向けに化粧品を製造しているX社。近年、化粧品業界でも、環境保全を目指す動きが加速しており、国内外のメーカー各社は、化粧品の新規処方を検討する際、原料の一つである感触改良剤にマイクロビーズを使うことを避け始めている。このような状況の中で、X社はアンチエイジング世代向けに高級化粧品の開発を行うことになった。

課題

ECHA(欧州化学機関)のマイクロビーズ規制案に対応した製品開発

研究開発部に所属するA氏は、新製品を開発するにあたり、競合製品の調査を重ねていました。検討の結果、新製品の開発コンセプトは、肌触りやのびの良さ、質感の柔らかさ、シワやシミをぼかすソフトフォーカス性の高さを追求し、高機能製品として他社製品との差別化を図っていくことに決定しました。

しかし今回、ある問題がA氏の頭を悩ませます。これまでX社の化粧品には、感触改良剤としてマイクロビーズを使用していました。しかし2014年頃からマイクロプラスチックは海洋汚染につながると世界的に問題視されはじめ、化粧品に添加することを禁じる国が出てきたのです。

「日本ではまだ、法律による規制にまでは至っていません。しかし環境問題への配慮が今まで以上に求められるようになるのは必然であり、国内メーカーも自主規制をはじめています。そこで当社も、マイクロプラスチックビーズを使用しない処方を検討することになりました」(A氏)

A氏らは試しに、無機粒子のシリカを使用する処方を検討しましたが、結果は今一つでした。従来製品は、マイクロプラスチックビーズを感触改良剤として加えることで、弾力性や柔らかさを担保できましたが、シリカには特有の硬さやきしみがあるため、新製品に必要な高級感を演出できないのです。
さらに情報収集を進めていきましたが、なかなかX社の求める感触改良剤には辿りつけませんでした。

課題のポイント

  • 環境に配慮し、マイクロプラスチックビーズを使用しない処方を確立したい

  • 他社製品にはない肌触りのよさやソフトフォーカス性の高さで差別化を図りたい

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