ポリマー情報機器製造 K社 設計開発部
意匠性や手ざわりに徹底してこだわった、ノートPCの外装コンセプトに黄色信号…
機能性を兼ね備えた塗装を実現した微粒子の添加剤とは?
ビジネス向けノートPCを製造しているK社では、次期モデルとして意匠性の高い製品の販売に向けて、開発プロジェクトを進めていた。
課題
意匠性・耐擦傷性に加えて、質感も付与できる塗装を求めて
プロジェクトでは、競合との差別化を図るため、次期モデルの意匠性にこだわり『マット調で高級感のある外装』というコンセプトで開発を進めていました。
設計開発部の責任者であるA氏は、早速、試作品の製作に着手しました。
「最初に検討したのは、シボ加工を施した外装です。しかしできあがった試作品は質感が単調で、つや消し具合もいまひとつの評価でした。微細加工を施す案も検討しましたが、コスト的に厳しくNGとなりました」(A氏)
そこでA氏らは、シボ加工した表面の上からさらに塗装を施すという改善策を講じて、塗料メーカーにいくつかのサンプルを依頼しました。期待通り、底つやのないマット調の質感を実現できましたが、塗料の添加剤にシリカを使用していたため、外装にキズがつきやすくなるという新たな課題が発生しました。
また定期ミーティングの中で、質感に加えて触り心地についても改良を加える方針となり、新たにソフトフィール性を付加する必要が出てきたのです。
A氏は社内メンバーと相談し、アクリル・ウレタン・シリコン系粒子配合の塗料を試してみましたが、つや消しとキズ付き防止・ソフトフィール性を両立できる最適な塗料が見つからず、プロジェクトは頓挫してしまいました。
課題のポイント
高級感のある、底つやのないマット調の質感を実現したい
塗装にはキズ付き防止、ソフトフィール感を付与したい
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